Terrace Martinが来日するから『Velvet Portraits』の名盤っぷりを語らせて
来日するんですって!
ということを知って記事をツイートし直そうって思ったら記事書いてなかった。なんならTerrace Martin書いたからBlood Orange書いたのにそもそもTerrace Martin書いてなかった。脳味噌溶けてる。最近暑いからね。
もうわざわざ言わなくても良いんじゃないかってくらいには『Velvet Portraits』は超良いアルバムだけど、せっかく来日するし聴いてて良い気分だから書こう。
Bandcampで全部聴けます、最高
なんでもできるスーパーマン
彼の肩書きはケンドリック・ラマーのプロデューサーだ。あの『To Pimp A Butterfly』のプロデューサー。記事あるから読んで。
で、いつの時代もプロデューサーってのは何でもできる人間がなることが多く、テラス・マーティンもそういう人種だ。
基本はジャズミュージシャン。担当はサックス。誰かのライブのサポートとかだとだいたいサックスを吹いている。
けど、もちろんそれだけじゃないわけで。鍵盤はもちろんできる。
あと唄える。だからヴォコーダーみたいなのもよくやってる。その実力もなかなかで、ラップなんかもしてる。ヒップホップ界隈で仕事をしてることが多いからかな。スヌープドッグとかのプロデュースもしてた。
おかげでやっぱり交友関係が広い。今回の参加ミュージシャンはレイラ・ハサウェイ(Lalah Hathaway)、カマシ・ワシントン(Kamasi Washington)、ロバート・グラスパー(Robert Glasper)、サンダーキャット(Thundercat)、ロナルド・ブルーナーJr.(Ronald Bruner Jr.)、スナーキーパピーのロバート・スパット・シーライト(Robert Sput Searight)もいる。あー、もうめちゃくちゃだよ(歓喜)
そりゃあね、良いでしょ。良いに決まってる。悪くなる要素がない。
Terrace Martin - For Ever With You
バージョン違いだけど。
色んなジャンルの玉手箱や~
しかしそれでも期待を超えてくるから凄まじい。
基本的にはジャズとソウルでまとめつつ、R&Bやヒップホップ、フュージョンっぽさもある。ちなみにグラミー賞ではBest R&B Albumにノミネートされてた。ちなみにこの時に受賞したのはレイラ・ハサウェイ。要するにレイラ・ハサウェイは1つの賞レースに2作品でノミネートされてた。ずるい。
製作は『TPAB』と並行して行われている。から雰囲気はまあまあ似ているのだが、決定的に違うのはケンドリック・ラマーの有無だ。そりゃそうだろって思うだろうけど、この違いが結構大きいんだ。
声が入ってないってことは楽器に焦点が当たるってことになるわけで、そうすると豪華な演奏陣やテラス・マーティンのマルチな才能により焦点が当たるってわけで。展開がより楽器を中心に動いている。ヒップホップの後ろでありがちなダラっと演奏が続いている感じは一切ない。ものすごくスリリングな演奏の応酬だ。
あと曲の幅が本当に広い。同じアルバムに入ってるのが不思議なくらい。ATCQっぽいヒップホップっぽいのもあったかと思いきや古典的なゴスペルっぽいバラードなんかも入ってる。似たような雰囲気でまとめることが多い昨今のクロスオーバージャズで古典まで含めて昇華し、ひとつの作品に纏め上げる実力は素晴らしいの一言に尽きる。
個人的には『Curly Martin』が一番のお気に入り。なかなか曲の入りが決まらないのをジャムで試行錯誤してる様子まで収録されてて凄く楽しい。しかもどんどん良くなってくのも分かってとても楽しい。
恐らくだけど英語のわからない人からしたら『TPAB』より面白いと思う。少なくとも『DAMN.』が微妙だったけど『TPAB』は好きって人はこっち。メロディの分かりやすさももちろん、曲としても面白い。
来日公演は行くべきなのでは…?
とりあえず9月に来日する。で、新たに The Pollyseeds っていうグループを組んでる。7月14日に The Pollyseeds としてのデビューアルバム『Sounds Of Crenshaw, Vol. 1』をリリースするとのことだ。先行リリースされたのはヒップホップにメロウなキーボードが乗ったチルっぽくて感じ。とても良い。ちなみにアルバムのゲストにはやっぱりカマシもグラスパーもいる。仲良しか。
で、7月に新グループでアルバムを出すってことは9月の来日公演は時期的に The Pollyseeds のお披露目ライブになるのかも。ちなみに、だとしたらめっちゃ楽しいよねこれ。とりあえずこの新作は楽しみ。