CD Essay

好きなアルバムを1枚取り上げて語れるだけ語るブログ

あれ?John Mayerの新譜『The Search For Everything』ってめっちゃ良いよね?みんな聴いたよね?

The Search for Everything

 

10年前にめっちゃ売れてたよね

The Search For Everything - Spotify

John Mayerである。10年前に稀代のポップシンガーとして名を馳せ、数々のセレブと浮名を流したシンガーソングライターである。ジョン・フルシアンテデレク・トラックスに並んで現代の三大ギタリストとか言われてる。でもこれ言われてたのも10年前だけど。最近ジョン・フルシアンテとかギター弾いてないし。まあ上手いけど。

今回の新作『The Search For Everything』はリリース日がKendrick Lamarと被るとかいう不幸をやらかした上でコーチェラの前日で話題を持っていかれている感じがする。なんでこの日にした。一週間ズラすだけでもだいぶ違ったでしょ。無能すぎでしょ。

おかげでこのアルバムをみんなが聴いてない気がしてならない。でも、この新作は凄く良いと思うんだ。聴こうよ久しぶりに。語るから。

 

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音楽では老若男女に好かれた、モテすぎて嫌われた

ジョン・メイヤー - Wikipedia

2002年のデビューアルバム『Room For Squares』で若手のポップシンガー兼ギタリストとして売れた。この人、物凄くギターが上手い。引くほど上手い。聞き馴染みの良いメロディでリラックスできる雰囲気にも関わらず難解なコード進行とエグいテクニックが目白押し。上手すぎる。Neonとかギター小僧がしょっちゅう練習してる。まともに弾けてるの見たことないけど。ゴーストノートが肝なんだぞ。

そのうえ甘いマスクに甘い声に甘い歌詞。甘~い!って言いたくもなる。あっという間にティーン達の心をわしづかみ、スター街道まっしぐらである。

続く『Heavier Things』でグラミー賞獲って、満を持して出した『CONTINUUM』は大ヒット。本人曰く、最初の2枚はとにかく売れることだけ考えたらしい。で、盤石の人気を得た上で自分が最もやりたい事をしたのが『CONTINUUM』だそうだ。狙ってやってできることじゃない。

Gravityを歌えば黄色い悲鳴が上がる。ジミヘンのカバーをやっておっさん達を唸らせる。全方位を満足させてた。まじで最強。この頃のジョン・メイヤーはめっちゃモテてた。歩くゴシップ記事状態。女の子と話すとスクープになるレベル。ちょっと経ってから女癖が悪いって嫌われたりもしてた。

ちなみに、管理人を構成する9枚 にこの頃のライブ盤である『Where The Light Is』が含まれている。めちゃくちゃ聴いた。そのうち記事書くから。いつになるか知らないけど。

『CONTINUUM』以降は喉の手術をして高い声が出なくなったりもしたし、カントリーへの大幅な方向転換をしたりで批評家に文句を言われたりもしていたが。個人的には質はそこまで低くなかったし文句を言うほどではないと思う。今聞いたら全然良いアルバムだと思うんだよな。全曲シングルにできる凄みみたいなのはないけど、あれは『CONTINUUM』ができすぎってもんよ。

 

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原点回帰!ギター弾きまくり!

さて、そんなジョン・メイヤーの新作である。ぶっちゃけ期待値はそんなに高くなかった。言わばオワコンだし。一番売れてたのが10年前。それから継続して活動をしてはいるものの、アルバムの発売より彼女との破局報道の方が目に入ったりした。

でも、今回のアルバムは思ったより遥かに良いアルバムだった

全盛期の雰囲気を感じる。ここ最近ずっとカントリー調だったのだが、その経験を踏まえつつギターポップにしっかり昇華できている。ちゃんとギターポップに帰って来れてる。このギターポップというのがポイントだ。

めっちゃギター弾いてる。最近の作品ではあんまりギター弾いてなかった。この人インスタでしかギター弾いてないんじゃないかと思ってた。インスタはよくギター弾いてて相変わらず上手いんだけど、曲に反映されないなあと思ってた。それがようやく反映された感じだ。そして相変わらず上手い。

でもソロとかの手法は昔ながらだ。ブルースを主体にしたペンタトニック系のソロが多い。結局ギターってこれがカッコイイんだなって思わせる。あと音の種類が増えた。前からエフェクターは多かったけど、もっと増えてる。ソロは非常にブルースっぽい音なのだが、特にフィルター系の音が非常に良い。爽やかで聴きやすい。

しかしこんな古臭いソロは今の時代では珍しい。というかメロディからギターソロ行って、みたいな古臭い展開が珍しい。「最近の音楽は分からん!」って言ってたおじさん達が歓喜する内容だ。安心感がある。そのわりにちゃんと時代を捉えてミニマルなポップさに落ち着いているから面白い。

時代を捉えているというのは大きいだろう。これまでの作品ももちろん良かったが、自分の欲求を満たしているだけの作品だった感じはする。それらに比べると圧倒的に時代が見えている。古典的なカントリーやブルース一辺倒になっていないのは非常に好印象だ。

 

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今回は近年の作品では最も良いと言い切れる

もっとギター弾けよって離れた人こそ聴いて欲しい。過去作の中でもギターを弾いてる印象が強い。『CONTINUUM』ばりに弾いてる。なんならソロはこっちの方が熱い。

相変わらず歌詞は女々しいけど。それだけちょっと受け付けないかも。『Love On The Weekend』とか『Still Feel Like Your Man』とかもう聴いてて恥ずかしくなるわ。性の悦びを知りやがって…。

思うんだけどこの人そんなにイケメンなの?身長191cmは凄いけど。管理人はそんなにイケメンじゃないと思ってる。なのに、どうも顔面推しで来るから不思議。なんだかんだモテるし。管理人はイケメンに見えないからノンスタイルの井上とか狩野英孝みたいな気持ちで見てる。だから今回のジャケットとか若干気持ち悪い。ちなみにオフィシャルサイトはもっと気持ち悪い。ほんとに。見て。気持ち悪いから。気持ち悪すぎて笑うから。井上のTwitterの写真みたいな気持ち悪さ。自意識過剰感が最高。管理人はこのキモさがツボに入ってパソコンの前でお腹痛くなるまで笑った。 やっばい。もっかい見てうわぁ…って思ってる。 http://johnmayer.com/

でも曲は本当に良いジョン・メイヤーがカッコイイかどうかは置いといて曲はカッコイイ。ぜひ聴いてみて欲しい。