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CD Essay

好きなアルバムを1枚取り上げて語れるだけ語るブログ

子供は聴けないディズニーのジャズ、Everybody Wants To Be A Cat: Disney Jazz, Vol. 1

Everybody Wants to Be a Cat: Disney Jazz, Vol. 1

 

ディズニー…?

Everybody Wants To Be A Cat: Disney Jazz, Vol. 1 - Spotify

驚いただろうか。良いCDしか紹介しないCD Essayがディズニーを紹介しているのである。ちなみに管理人はディズニーに毎週通うとかそういうことはしていない。映画は観てるけど最後にディズニーに行ったのがいつだったかは明確ではないくらいだ。

ディズニーのコンピなんて腐るほどある。理由は単純、売れるからだ。もう新鮮なことなんて一切ない。ロックインディズニーという売れ線のバンド集めてやってるのなんて毎年出てるんじゃないかな。去年出たのはだいぶ話題になってたけど。

ROCK IN DISNEY ~Season of the Beat

今回はそんな無限にあるディズニーコンピの中で管理人が珍しく感動したおすすめの1枚、2011年の『Everybody Wants to Be a Cat: Disney Jazz, Vol. 1』についてだ。

 

普段ならYouTubeの動画を貼るのだが、どうもオフィシャルでは動画が上がってないらしい。アンオフィシャルを貼ると怖いネズミに刺される気がするので避けます。ただ、Spotifyにあったのでこちらを聴いていほしい。

 

豪華すぎ

さて、コンピレーションであるならメンバーが大事だ。ということで曲とメンバーだ

Everybody Wants To Be A Cat: Disney Jazz, Vol. 1

  1. Everybody Wants To Be A Cat  Roy Hargrove
  2. Chim Chim Cher-ee  Esperanza Spalding
  3. Some Day My Prince Will Come  Dave Brubeck
  4. Find Yourself  Regina Carter
  5. You've Got a Friend in Me  Joshua Redman
  6. He's a Tramp  Dianne Reeves
  7. Feed the Birds (Tuppence a Bag)  Kurt Rosenwinkel
  8. Gaston  The Bad Plus
  9. Alice in Wonderland  Roberta Gambrini with The Dave Brubeck Trio
  10. The Bare Necessities  Alfredo Rodriguez
  11. It's a Small World  Nikki Yanofsky
  12. Belle  Gilad Hekselman
  13. Circle of Life  Mark Rapp

いや、豪華すぎるだろ。

いくら6年前とは言え、凄いのを揃えすぎだ。金にモノを言わせすぎている。いちいち紹介するとキリがないので割愛させてもらうが超名プレイヤー揃いである。ほとんどグラミー賞の受賞経験がある。

このアルバムの企画人がデイブ・ブルーベック(#3,9)である。あの名曲『Take Five』の人だ。間違いなく本人、伝説だ。そりゃこの人が声かけたら人が揃わないわけがない。ちなみに、デイブ自身は1957年に『Dave Digs Disney』というカバーアルバムを出している。50年以上前。このアルバムを出した時は90歳。ちなみに今作をリリースした翌年に亡くなっている。

エスペランサ(#2)とダイアン(#6)は前に紹介済みだからその記事を読んでもらうとして、ロイ・ハーグローヴ(#1)はもう説明するのも大変なくらい凄い人だ。ニッキー・ヤノフスキー(#11)はバンクーバーオリンピックの開会式で歌ってた天才少女だ。グラミー受賞のサックスマン、ジョシュア・レッドマン(#5)もいるし、轟音バンドのバッドプラス(#8)までいる。

とにもかくにも豪華だ。なんだこれオリエンタルランドって凄えな。

 

気合の入り方が違う

これだけ豪華なメンバーが揃っているのだから、各々も本気である。デイブ・ブルーベックに声を掛けられて参加するのに手を抜くなんて狼藉者はいないだろうけど。レジェンドが見てるんだから若手からしたら絶好のアピールタイムでもある。

誤解しないで頂きたいのだが、ジャズだからといって生ぬるいことはしていない。巷に蔓延るディズニーのジャズアレンジというのはエレベーターミュージックであることが多い。「ゆったりリラックスできるように弾いてみました、エレベーターやホテルのラウンジでかけてください」みたいな曲のことだ。

今作は全くそんなことはしていない。本気だ。リラックスしてる暇などない

それが顕著なのは美女と野獣の『Gaston』をやったバッドプラスだろう。映画本編ではガストンが酒場で俺は強いって言って鼓舞する曲だが、バッドプラスの手に掛かるともはや戦争である。野獣倒すとかいう次元ではない。完全に戦争。それでいてちょっとハッピーな、おもちゃ箱をひっくり返した感もあるからなんかずるい。ちゃんとディズニーっぽい落とし所にいる、すごいバランス感覚である。

発起人のデイブ・ブルーベックの『Some Day My Prince Will Come』も90歳とは思えない演奏である。軽快で明るくバランス感覚に優れたジャズピアノの教科書のような演奏である。これが教科書だとしたら難しすぎるけど間違いなく最高のソロである。

選ばれた曲もわかりやすくて良い。誰もが知ってる『It's A Small World』や美女と野獣の『Belle』などのスタンダードを抑えつつ最近のトイストーリー、カーズからもやっている。映画を見てれば自ずと覚えている曲たちである。そのどれもが個性溢れながらもディズニーらしさを失わない完璧なアレンジになっている。

 

約束された名盤

そもそも、ジャズの形態とディズニーの曲は相性が良い。もともと曲が有名でスタンダードになっているディズニーとスタンダード曲を個々の解釈で自由にやるジャズである。親和性が最初から良いのだ。となると曲のクオリティはプレイヤー次第ということになるが、このメンバーが揃っていて上手くいかないわけがない。

残念なことはVol.1と言ったきり2が出る気配がさっぱり無いことである。デイブ・ブルーベックが亡くなってしまったとはいえ、続けて欲しい。エレベーターミュージックではなく、こういう本気のジャズを聴かせて欲しい。

しかし、少なくともこの1枚は間違いなく名盤である。

大人の夜にいかがだろうか。

 

Everybody Wants to Be a Cat: Disney Jazz, Vol. 1

Everybody Wants to Be a Cat: Disney Jazz, Vol. 1

 

 

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