Queens Of The Stone Age がフジロックに来ることになってはいるから信じよう
フジロックも懲りないな
夏のロックフェスのアーティストがだんだんと揃ってきている。その中で管理人が感心した発表がある。フジロックの Queens Of The Stone Age (クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ)の参戦だ。以降 QOTSA って書く。
ここで彼らの輝かしい経歴をお伝えしよう。
いや、よく呼んだな。2003年の来日講演から14年、一度も来日が成功していない。全部ドタキャンである。友達でも説教するし普通の企業なら余裕でクビだ。
それでもおかしなことにこのバンドがアナウンスされると嬉しくなる。期待してしまう。DV被害者みたいな発想だが、本当に来たら嬉しい。まだ疑ってるけど。
今回は彼らの出世作にしてストーナーロックの歴史的名盤、2002年の3rdアルバム『Songs For The Deaf』についてだ。
Queens Of The Stone Age - No One Knows
暗い+重い+遅い=怖い
クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ - Wikipedia
QOTSAはもともと Kyuss というバンドが前身にある。これもストーナーロックに分類されているが今聞くとわりとハードロックやヘヴィーメタルに近い印象だ。
この Kyuss が解散した後にバンドメンバーだった Josh Homme (ジョシュ・オム) が結成したのがQOTSAである。ちなみにバンド名は「石器時代のおかま達」って意味だ。Queenを男性に向けて使うとIKKOみたいな意味になる。あの伝説のバンドもたぶんそういう意味を含んでいる。ちなみにジョシュは女性と結婚している。
さて、リーダーのジョシュは全ての曲の製作に携わっているが、彼の作る曲がまあ暗い。かつ重い。しかも遅い。ということで怖い。BLACK SABBATHみたいな雰囲気だ。最近のハードロックやヘヴィーメタルとは趣が違う。特にテンポは遅めである。速さこそ全て!みたいなギターソロは一切出てこない。
とにもかくにも独自の世界だ。QOTSAみたいなのを聴きたいと思ったらQOTSAを聴くしか無いところはある。ストーナーロックというジャンルを作り上げてはいるが、QOTSA以外に本当にストーナーロックであると言えるバンドもいない。そもそも本当にストーナーロックがジャンルとして機能しているのか疑問だ。
この独特な世界観がカルト的な人気になったこともあり、ジョシュはその手腕でプロデューサーとしても活躍している。最近ではArctic Monkeysのプロデュースをずっとしている。初期のダンス系ではなくハードで重めな路線になったのは間違いなくこの人の影響だ。
あと友達が多い。もともとジョシュのソロ活動みたいな立ち位置になっていることもあってかやたらとゲストが多い。元NirvanaでFoo FightersのリーダーのDave Grohlなんか毎回いる。あとカイアスの元メンバーもよくいる。
Queens Of The Stone Age - Go With The Flow
独自世界でありながらどこかポップ
この作品がQOTSA史上でも最も売れたアルバムであり、恐らく現在でも彼らの中で最も評価されているアルバムだろう。この作品がもっともQOTSAの世界観を反映した上で聞きやすいのだ。
ジョシュの声が独特である。上手いというわけではないのだが張り切りすぎない声がやはりどこか不気味で良い。アイデンティティーがありすぎている。
また繰り返されるリフがどれも良い。ギターアルバムらしさが出ている。やはりBLACK SABBATHやLED ZEPPELINから影響を受けているのだろう。ひとつのリフで突き進むなんてこともしている。ついついギターが弾きたくなること間違いなしだ。
ちなみにこのアルバムでは全弦2音下げとかいう驚異的なダウンチューニングをしている。本来はミであるはずの音がドになる。ちなみにBUMP OF CHICKENは半音下げだ。ミがミのフラットになるだけ。それを考えるとめちゃくちゃ低いことが伝わるだろう。いやもう7弦とか8弦とか使えよ、とは思うが、このダウンチューニングのおかげで独特な音である。弦のテンションが弱いから響き方が違うのだ。
Queens Of The Stone Age - First It Giveth
やはりこのアルバムから
本当に来るかどうかは置いといて、予習をするなら間違いなくこのアルバムだ。今でもライブで披露する名曲揃いだし最初に興味を持つのにちょうど良い。個人的に一番好きというのもあるが。これ以外の作品ももちろん良いので興味を持ったならここから探してみるといいと思う。
新作を発売する予定があるらしい。既に定番になった「謎の画像だけアップして期待感を煽る手法」を絶賛展開中だ。この来日で新曲を披露すると見て間違いない。来るなら観たい。この世界観をライブで見れたら間違いなく充実したライブになるだろう。 経緯がどうなるかを見守っていく必要があるが。
それに関わらずこのアルバムは間違いなく名盤だ。まだ聞いていないようならぜひ聞いて欲しい。