CD Essay

好きなアルバムを1枚取り上げて語れるだけ語るブログ

Chris Cornellの訃報を受けて、彼の名盤を後世に残したい

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えっ、嘘でしょ?

クリス・コーネル - Wikipedia

は?なに?今ってSoundgardenでツアー中のはずでしょ?前日もライブしてたんでしょ?亡くなった?

本当に「えっ」って声が出た。おかげで知らない人に変な目で見られた。信じられない。今でも正直受け止められてない。52歳。本当に悲しい。一夜明けてどうやら自殺らしい。首を吊っていたそうだ。なんだよそれ、なんでだよ…。

クリス・コーネルの訃報を受けてCD Essayにできることは何か。しがない個人ブログだが、彼の偉大さを広めることだったらできるかもしれない。

CD Essayが彼のキャリアから名盤だと思うものを3枚取り上げてみたい。

 


Chris Cornell - The Promise (Lyric Video)

今年の3月に新曲をリリースしたばかりだった

 

Soundgardenは『Down On The Upside』を紹介したい

クリス・コーネルのキャリアの最初はSoundgardenから始まった。そして誰がなんと言おうとSoundgardenの代表作は『Superunknown』だ。それは間違いない。聴いたことがない人は絶対『Superunknown』から聴くべきだ。

でも、どうせこのブログに来る人って『Superunknown』は聴いてるでしょ?聴いてるよね?もう今さら『Superunknown』の凄さは語らなくていいよね?だからCD Essayは『Down On The Upside』を勧めます

あの時代って凄かったんだよな。Nirvanaの『Nevermind』があってPearl Jamの『Ten』があって。グランジ全盛期。RHCPRATMもいるし。でも、Soundgardenの『Superunknown』は本当に物凄い衝撃だった。重たいビートに重たいリフ。そこに乗る咆哮のようなボーカル。本当に初めて聴いた時は衝撃過ぎて脳天ぶん殴られたんじゃないかって感じがした。もうなんか音っていう名前の塊で殴られてる感じがした。

本当に唯一無二。こんなにも代えの効かないバンドはない。どのパートも他のグランジ系のバンドより上手い。しかも全員が個性に溢れていて、その個性で出来た音楽が本当に独創的だった。レッド・ツェッペリンブラック・サバスを足して2で割ったみたいなバンドだった。一切の誇張なく、本当に冗談みたいに格が違うバンドだった。

Down On The Upside』はその格の違いを見せつけた快作だ。『Superunknown』より更に世界観が強固になっている。そしてこっちの方がクリスの声が栄える。かなり大人しい曲が多い。アコースティック楽器もたくさん入ってる。だから『Superunknown』のような音の塊でぶん殴られる衝撃みたいなものはあまり感じないかもしれない。改めて言うけどサウンドガーデンを一度も聴いたことがない人は『Superunknown』の方が絶対楽しい。有名な曲も多いし。あのぶん殴られる快感は味わって欲しい。

でも『Down On The Upside』の方が曲として面白いサウンドガーデンとしての成熟度が上がっている感じ。無駄な装飾を省いてクリスの声に焦点を当てつつビートとしての重たさを保つ。ハードさにアコースティックを混ぜることでサウンドガーデンにしかない世界観を強固にしていく。怪しさとか艶めかしさとかも感じる。最高傑作はこちらだと思う。

この頃のクリス・コーネルの声って物凄いんだよ。上から下までバカみたいに音域が広い。しかも声量が物凄い。張り上げた時の声は完全に咆哮だった。囁く様な歌い方もできるし、かと思ったら物凄い声量で吼える。めちゃくちゃカッコよかった。あまりにカッコよかったから一時期管理人の回りではカラオケで『ブラックホールサン』を歌うのが流行った。最後のサビが高すぎて歌えないのをゲラゲラ笑いながらやってた。ちなみに『スプーンマン』も流行った。基本的に誰もまともに歌えてなかった。やばい思い出して泣きそう。

サウンドガーデンって解散までカッコイイんだよ。1997年に解散するんだけど『やれることはやり遂げた』って言って解散すんの。めちゃくちゃカッコ良くない?人生で一度は言いたいよね。立つ鳥跡を濁さずって感じ。

 


Soundgarden - Burden In My Hand

 

Audioslaveは『Revelations』だと思う

一枚のソロ作を挟んで彼のバンドでの次のキャリアがAudioslaveだ。ソロについてはこの後まとめるから一旦置いとかせて。とりあえずAudioslaveって名前、めっちゃくちゃカッコイイよね。あの最強ミクスチャーバンRage Against The Machineの演奏陣とクリス・コーネルという夢見たいなスーパーバンだ。まじで?ってなった。

結果めちゃくちゃカッコイイ。RATMの強靭なリフを受けてなお曲を自分のものにするクリスの声の魅力が素晴らしい。しかも間奏ではトム・モレロのトリッキー過ぎるギターソロが炸裂するのだから面白くないわけがない。最高。曲調としてはサウンドガーデンよりアメリカンハードロックに寄った感がある。その分クリスの声が栄えて聴きやすい感じ。組み合わせのわりに普通に落ち着いてるって意見もあったけど、これが普通だったら全世界のHR/HMバンドは全滅だ。

このバンドでは3枚目の『REVELATIONS』が一番好き。もはや好みみたいなとこがあるけど。このバンドはどんどん成熟していったイメージがある。1枚目の『Audioslaveももちろんカッコイイんだけど、メンバーの無駄使いみたいな感じがちょっとする。もうちょっと高い次元に落とし込めたような感じ。「このメンバーなら良いに決まってる」っていう期待そのままではあるのだけど、それ以上でも以下でもない感じ。ビートの重たさとかはサウンドガーデンと共通しているんだけど、RATMの方がファンキーなんだよね。1枚目はそのファンキーさが合ってない気がしてた。けど3枚目でそこがカチッとハマった感じがする。余裕のある歌いまわしも良い。でも1枚目のRATMとクリスが互いに我を出して攻撃的な感じも良いよね。結局全部良いってなっちゃうけど。

このアルバムは静と動がきっちりしている。他の作品よりさらに定番のアメリカンハードロックをしている。ただ元々個性が異常に強い組み合わせだったのだから定型であるアメリカンハードロックにしっかり寄せることで分かりやすく聞きやすい仕上がりになっている。それでも一切隠せない個性が出てしまっているおかげで凡百のハードロックでは終わらず名盤になったという感じだ。

Audioslaveは2007年にRATMの活動再開に伴って活動休止した。ここからクリスのソロが本格始動だ。

 


Audioslave - Revelations

 

ソロは2枚目の『Carry On』がやっぱり一番好き

サウンドガーデン解散してからオーディオスレイヴを組むまでに1枚。全部合わせて4枚のスタジオアルバムとライブ盤が出ている。

1999年に出した1枚目の『Euphoria Morning』が物凄く大人しい。落ち着いた作風だ。サウンドガーデンのアコースティックさを全面に押し出した感じだ。対してオーディオスレイヴ解散した後の2007年に出した2枚目『Carry On』はアメリカンロックになっている。2009年の3枚目『Scream』はデジタルビートでダンスチューン。2015年の4枚目『Higher Truth』はアコースティック。だいぶ音楽性が変わっている

変わっていくのだが、全部クリス・コーネル感に溢れまくってる。というか、この声の個性が強すぎる。何やっても結局クリス・コーネルじゃんってなる。爆撃機みたいな声量があるから結局なにを唄っても声が勝る。すごい声だよほんと。

彼のソロは後年になればなるほどハイトーンな曲は減って落ち着いていく。1枚目ではとんでもないハイトーンを交えていて圧巻といった感じがする。そこからまだ高い方を歌いに行くのかよ、みたいな驚きがある。ただそれが曲芸的というか実力の誇示のようにも聞こえる。驚きはあるのだが後年の方がメロディとしては好き。

後年は落ち着いた印象でしっとりと歌い上げている。いい歳のとり方だなあって思った。結局声そのものが良いから全然聴ける。ただ、後年になってハイトーンが出なくなったというわけでは断じてないサンタナのカバーアルバムに参加してレッド・ツェッペリンの『Whole Lotta Love』をやってたんだけど完全に原曲のキーでやってる。2010年の作品なのに全然余裕で歌えてるし、物凄くカッコイイ。もうロバート・プラントが歌うのしんどいって言うならクリス・コーネルに任せようって思った。最後の咆哮が本当にカッコイイ。笑っちゃうくらいカッコイイ。

GUITAR HEAVEN: Santana & Chris Cornell  "Whole Lotta Love" - YouTube

どれを勧めるかは難しいのだが挙げるなら2枚目の『Carry Onだろうか。ベタなアメリカンロック。RATMもいないから超ベタ。でもだからこそ彼の声が栄えるっていうのはある。下手に演奏に意識を持っていかれない感じというか。かといってバリエーションが多いから飽きない。アコースティックもふんだんに使われていて文句の付けようがない。サウンドガーデンとしてデビューしなかったら間違いなくずっとこの路線だったと思う。Michael Jacksonの『Billie Jean』のカバーも入ってるのだが、こんなに悲しい『Billie Jean』はない。このカバー物凄く好き。悲痛な叫びのように聴こえて胸がキュッってなる。あと『007 カジノ・ロワイヤル』のテーマ曲もこのアルバムに入ってる。映画での使われ方がめちゃくちゃカッコよくてすごくテンション上がったのを覚えてる。

ちなみに、管理人が訃報を聴いて最初に手に取ったのは『Carry On』だった。馴染みの曲が多いのと思い入れが強かったから。聴きながらもうクリス・コーネルの声は聴けないのかと思ったら堪えきれなくてちょっと泣いた。

 


Casino Royale - Chris Cornell - You Know My Name

 

現代のロックボーカリストで最もカッコよかった

誰もがこんな風に歌えたらって思っただろう。間違いなく。ずっとカッコイイ。ずっと魅力的だった。本当に大好き。サウンドガーデンの時の咆哮も後年の渋い佇まいも本当にカッコよかった。思い出がありすぎる。もう本当に一時期ずっと聴いてた。

どちらかと言うと有名では無い方を勧めている気はする。彼の有名作は『Superunknown』『Audioslave』『Carry On』の3枚だろう。でも、個人的な思い入れだとか作品の本質なんかを考えてこちらにしてみた。

この機会に、というのは変な話だがクリス・コーネルを風化させたくないサウンドガーデンは知ってるけど、で終わらせるには本当に惜しい。本当に素晴らしい声の持ち主なんだよ。

彼は後世に残って欲しい。その願いとこの記事をCD Essayからの追悼としたい。

 

 

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