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CD Essay

好きなアルバムを1枚取り上げて語れるだけ語るブログ

現代の最強バンドSnarky Puppyの『Culcha Vulcha』は凄すぎて褒めちぎるしかできない

Culcha Vulcha

 

 今、世界で最もノッてるバン

Culcha Vulcha - Spotify

今年もグラミー賞が発表になった。多くの人は主要4部門を見て、あとはまあ日本人が入れば良いなあくらいだろうか。実はグラミー賞には80を超える部門がある。ジャンルを細分化したらこんなことになっているらしい。

今回は Snarky Puppy が2016年に発表しグラミー賞の『Best Contemporary Instrumental Album』部門を受賞した『Culcha Vulchaを取り上げる。

 

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グラミー賞を2年連続で受賞

Snarky Puppy - Wikipedia(英語版)

Wikipediaは英語版しかなかった。読める方はどうぞ。

グラミーを2年連続で受賞というのはどう考えてもおかしい。そもそも毎年受賞するには毎年アルバムを出さなきゃならない。そんなポンポンアルバムを出すアーティストが稀である。

しかも世界で最も大きな音楽賞である。その年にあるジャンルで最も適任だと認められた作品が受賞するものである。ノミネートならまだしも受賞を連覇となると無理がある。

それを成し遂げたのが今回の Snarky Puppy である。

ちなみに同一ジャンルの連覇である。去年も Sylva で全く同じ賞を受賞している。Best Contemporary Instrumental Album というのは要するにインストアルバム最強決定戦だと思ってもらえばいい。ジャンルも定められていない。インストなら対象だ。

まあ、正確な話をすると名義が少し違う。前作の Sylva は Snarky Puppy & Metropole Orkest 名義である。だから正確な話をすると連覇ではない。ただ曲を作ったのは Snarky Puppy のメンバーだから大きな差はない。

 

年間200本講演

彼らを語る上でライブしまくりバンドだということを外すわけにはいかない。年間200本である。週4日ライブしてる計算である。ちなみに大学生の年間休日が200日ぐらい。ついでにホワイト企業のサラリーマンが240日くらい。

それだけライブしながらアルバムを年1枚リリースしてるってちょっと理解できない。本当にいつ曲作ってるのか分からない。それで連覇とかわけがわからない。完全に化物である

さて、Snarky Puppyがどんなバンドかというと、リーダーの Michael League 君の友達で組んだバンドである。ちなみにマイケル君は音大卒である。つまり彼の友達も音大卒である。要は全員が他に別の仕事をしているスタジオミュージシャンだ。分かりやすいとこを言うと Kendrick Lamar のドラムが Snarky Puppy のメンバーだったりする。他の名義でグラミー賞もらったことあるメンバーが結構いる。

まじで全員が超一流だ。

大所帯だと周りが凄すぎて比べると微妙な人がいる、みたいなことが起きたりするが、それすら起きない。本当に全員が漏れなく上手い。同じ楽器でも方向性が違う上手さを発揮してくれるから飽きない。ソロキャリア持ってる人ばっかりで引くほど上手い。

そんな超一流達だからみんな忙しいわけで、メンバーも固定ではない。Snarky Puppy に在籍している40人くらいの中からその時に暇な10人くらいが毎回ライブしている。ちなみにリーダーのマイケル君は常にライブに出てるからまじで2人いないと計算が合わない。

 

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公式音源はないのでライブ動画。ライブ映えするなあ。

 

8年振りのスタジオ録音

毎年アルバムを出しているのに8年振りのスタジオ録音ってもう意味が分からないけど、事実である。これまでの8年間は全てライブ録音のアルバムである。いわゆる一発撮り。みんなでせーのってやったのをそのまま録音してそのままリリースしている。ミスしてもそのまま発売される。要は上手い人だけができるやつだ。ちなみに過去作を聞いてもミスが見当たらない。まじで上手い。

ただ、その場でやるライブ録音には表現としてどうしてもできないことが出て来る。全員が楽器を弾いていたらハンドクラップを加えるのは無理だったり。チューニングを途中で変えるのも難しい。そういうスタジオ録音でないとできないことをやるというのが今作 Culcha Vulcha である。

今作の特徴として更に言えるのはパーカッションの多さである。

元々パーカッションの多いバンドではあったけど、今回はかなり多種多様である。ワールドミュージック感がだいぶ増している。メインとなるビートが分かりやすいドラムのビートではないというだけでも非常に面白くて楽しい。もちろん、それでもきっちりノれるように作ってあるから安心して欲しい。でも凄く新鮮で楽しいことは間違いない。ちなみに肝になってるパーカッションのメンバーに日本人の小川慶太っていう人がいる。散々書いているがもちろん上手い。

あと、びっくりするほど曲のバリエーションが多い。聴いたことなかったようなことを次々にやってくる。インド音楽とかブラジル音楽とかから影響を受けたと本人は言っていたけど、にしては感性が新しくて面白い。

スタジオ録音になった楽器の選択も面白い。ここでアコースティックな弦楽器が入ってくるのか、みたいな驚きがある。スタジオ録音でやりたかったことってこういうことか、みたいな楽しさがある。

 

 

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長尺のライブ動画。巷で永遠に見てられると話題。

 

今度は何を見せてくれるのか

どうしたって注目したくなってしまう。これまでも多くの作品を出しているが、その中にハズレはない。そもそも世界でも屈指のプレイヤーが揃ってるってだけで楽しい。その上で毎回我々が予想しなかったことをして楽しませてくれる。

ライブ録音に比べると盛り上がりに欠けるというか躍動感に欠ける、落ち着いた作品ではある。それは間違いなく事実だ。しかし、曲の完成度で言えばより洗練され探究心に満ち溢れている。ただ探究するだけでなく質が高いからあっぱれだ。

今最も注目すべきバンドである。

 

Culcha Vulcha

Culcha Vulcha

 

 

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